左腋窩リンパ節腫脹の原因は、、、
知っている人は知っているのでしょうか?
この前経験した症例を振り返りさせて頂きます。
個人情報はぼかして、説明します。
高齢女性で肺に基礎疾患があり、1年に1回胸部CTを撮影している患者です。何十年前に左乳癌で手術加療された既往があります。
1年振りにCT撮影して来院されました。
1年前と今年のCTを示します。画質が悪いのはご愛敬という事で、、、
左腋窩リンパ節が腫れているかと思われます。
以前からクリニカルパール的に
「乳癌は何十年前の加療歴であっても再発する事がある!」と教えられてきたので、
すわっ、これは再発に違いない!と思い、乳腺外科に紹介しました。
紹介したものの、自分が聞きそびれていた大事な病歴を乳腺外科の先生が聞いてくれました。
それは、、、
「1週間前に2回目のCovid19のワクチンを左上腕に打った」
という事でした。
念のため、乳腺外科で腋窩のリンパ節をFNAで肺生検してもらいましたが、悪性所見はありませんでした。
Covid19ワクチンによる反応性リンパ節腫脹と考えています。
モデルナ製のワクチンの有効性を報告したNEJMの論文(n engl j med 384;5 nejm.org February 4, 2021)では有害事象のところで、少ないながらリンパ節腫脹がありました。(1.1%の報告)
in pressですが、コロナワクチン後のリンパ節腫脹の報告があり、そこでは、ワクチン接種後2~4日で出現して、1~10日程度腫脹が続くとの事でした。
リスクに応じて、6週間以内でのエコーでのフォローアップや生検など考慮と書いてはいました。基本は経過観察を勧めています。
(Anton S. Becker et al. Radiology:Multidisciplinary Recommendations Regarding Post-Vaccine Adenopathy and Radiologicimaging: Radiology Scientific Expert Panel)
Imaging: Radiology Scientific Expert Panel)
以上小ネタでした。