奈良の呼吸器内科医ブログ(仮)

呼吸器内科です。臨床に役立つ情報の共有を目指します。

間質性肺炎急性増悪の呼吸管理

かねてから間質性肺炎急性増悪の呼吸管理に関しては、ネーザルハイフローが良いのではないかと考えていました。 

NPPVであれば、長期間の装用に耐えられないし、IPPVでも同様ですが、高いPEEPや肺胞にかかる圧により人工呼吸関連の肺障害を起こすのでは無いかと考えていました。

間質性肺炎急性増悪に対して、IPPVを導入して急場をしのいでも、ICU-AWやステロイドミオパチーでADL低下して、長期療養を強いられてしまう事が多い様に感じています。

 

今回紹介する論文は後ろ向きコホートで、間質性肺炎急性増悪に対してNPPVとHFNCでの呼吸管理を比較した論文です。

 

Nagoya J. Med. Sci. 82. 301–313, 2020
doi:10.18999/nagjms.82.2.301

High-flow nasal cannula therapy for acute respiratory failure
in patients with interstitial pneumonia:
a retrospective observational study

ネーザルハイフロー(HFNC)は急性呼吸不全に対して、生存率向上に寄与している。しかしながら間質性肺炎急性増悪による急性呼吸不全増悪に対するHFNCの役割はわかっていない。この研究の目的は、間質性肺炎による呼吸不全に対するHFNCとNPPVの効果を比較する事である。この後方視的研究では32人の間質性肺炎急性増悪による急性呼吸不全患者が含まれ、13人がHFNCで19人がNPPVであった。臨床的な特徴、挿管率、30日死亡率がHHNC群とNPPV群で分けて検討された。30日死亡率の解析はロジスティック回帰分析を用いて解析された。HFNC群では高い平均血圧であった。(HFNC群:平均血圧92mmHg、NPPV群:平均血圧74mmHg)でHFNC群で APACHEII scoreが低い傾向があった。(HFNC群22、NPPV群27) 30日時点での挿管率には優位な差は無かった。(HFNC 群 vs NPPV 群 8% vs 37%: p=0.069) 30日時点の死亡率はそれぞれ、23%と63%であった。HFNCは単変量分析において30日死亡率の重要な決定要因であり、多変量解析における30日死亡率の独立した有意な決定要因であった。(odds ratio, 0.148; 95%
confidence interval, 0.025–0.880; p=0.036) 我々の研究は間質性肺炎急性増悪における急性呼吸不全に対してHFNCが良い治療選択肢である事を示唆していた。今後ランダムか比較試験でのさらなる知見の収集が望まれる。 

 

f:id:noboru-_-0913:20210226194335p:plain

f:id:noboru-_-0913:20210226194509p:plain